神は乗り越えられる試練しか与えない

「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

これはどうやら、日本語に翻訳する際にニュアンスが大きく変わってしまったそうですが、今回は字句通りの意味として取り上げました。

これから先、どんな困難が待ち受けていようとも、そのすべては乗り越えられるための障害物でしかない。
そんな明日に進むための勇気をくれる言葉です。

もちろん、現実に即して考えれば、乗り越えられない試練なんて山ほどあります。
人間は飛行機なしに空を飛べませんし、丸一日呼吸しないで生活することは不可能です。

病気で余命宣告を受けた患者が健康体に快復することが、どれほど望みの薄い困難であるかは誰でも知っています。
また、他の人にできることであっても、自分にもそれが可能であるとは限りません。

人生は不平等の連続です。
ある日突然、降って湧いた理不尽に襲われることだってあります。
しかし、それでも私たちは諦めることなく前に進まなければならないのです。

反り立つ壁はあまりに高く、広く、頑丈で。
時にそれは不可能という絶望を押しつけてきます。

けれど、立ち止まっていては本当に“無理”になってしまう。
横から回りこむことはできないか、どこかに綻びはないか、手をかけて登れる足掛かりはないか。

あるいは、どうしても越えられない壁ならば、別の道を探してみるのも良いかもしれません。
限りある人生を無為に費やすことのないよう進み続ける。

「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉は、そのための勇気をくれます。

実際のところ、綺麗事では片付けられない問題というのは世界中にありふれています。
それを承知した上で、それでもなお「越えられない壁はない」と何度でも挑み続ける心があれば、きっと誰より遠くへ辿り着けるでしょう。

逆境や困難は私たちの都合を待ってはくれません。
その時が来ても、準備ができていないことの方が多いくらいです。

クリアするために必要な能力や経験が不足しているのは当たり前。
今ある手札で創意工夫を凝らすこと以外に、最善の未来へ至る方法はありません。